2023年3月 4日

8.多くの方が土地探しで陥る落とし穴

家づくりをされるほとんどの方が
そうであるように、
あなたも、『日当りがいい土地を買いたい!』
と思っていることでしょう。

この日当りがいい土地というのは、
一般的には敷地の南側に道路が
接しているいわゆる
『南側道路の土地』のことを指すのですが、
太陽の光が一番入る南側に、
光を妨害するものが
建たないことから、一見日当たりが良さそうに
見えるこの南側道路には、

実は2つの落とし穴が潜んでいます。


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まず1つ目の落とし穴ですが、

『土地の値段が一番割高な上、
誰もが同じように狙っている
ため手に入りにくいし、
価格交渉をする余地もない・・・』
ということです。


他のみなさんも、
あなたと同じようにせっかくなら
日当りがいい土地を買いたいと思っています。
ですから、競合が多い日当たりが良さそうな
土地というのは、広告や雑誌に載る前に
売れてしまうことがほとんど...
偶然出会ったとしても、
もちろん価格交渉の余地など
全くないでしょうし、その土地が
良いかどうかも分からない状態で即決を
迫られることになるでしょう。

その上、需要が供給を上回る
そういった土地は、価格の設定も割高に
してあるでしょうから、
土地に予算を使い過ぎて肝心の家に
予算が回せなくなってしまう・・

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あるいは、家まで予算オーバーしてしまうとなると、
住宅ローンに負担がのしかかってくることになり、
建てた後の生活が苦しくなってしまうことに
なりかねないというリスクを持っています。

2つ目の落とし穴は、

「日当たりはいいのですが、そのせいで
人目が気になる暮らしにくい家に
なってしまうかもしれない・・・」
ということです。

日当りが良さそうな土地で設計図を
描くとしたら、
ほとんどの住宅会社が間違いなく
南に大きな窓をつくるでしょうし、
あなたもそういう設計を
きっと望むことでしょう。
しかし少し冷静に考えてみてください。

あなたの土地の南が道路だとしたら、
そこには車や人がたくさん通ること
になりますよね。
そして、隣近所の方だけじゃなく
知らない方からも家の中が丸見えに
なるということですよね。
そうなれば、人目が気になり
リラックスしてリビングで
過ごせなくなってしまうので、
そこにカーテンを設置し常に
閉め切るようになってしまいます。

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そして、住む前までのカーテンがない状態では、
明るくて日当たりが良さそうな家だった
かもしれませんが、住み出した途端、
人目が気になることから
窓もカーテンも閉め切ってしまい、
暗くて風通しが悪い家に一気に
変身してしまうことになります。

これでは、なんのために日当たりがいい土地を
高いお金を出して買ったのか
よく分からなくなってしまいますよね。
ですから、日当たりが良さそうな土地も、
設計時においてなんらかの工夫を
しなければいけないということを
覚えておいていただければと思います。

ということで、
誰もがいいと思っている『南側道路』の
日当りが良さそうな土地でさえも、
メリットばかりではなくデメリットも
持っているので、土地に完璧さを求めることは
しないようにしていただければと思います。

2023年3月 3日

9.土地を見極めるための3つのポイント

たとえ誰もが欲しいと思う
日当たりが良さそうな南側道路の土地で
あったとしても、"日当たりが保証されそう"
というメリットの裏には、案外その日当たりの
恩恵が受けられる家の設計をすることが
難しい・・

とか、割高かつ価格交渉が困難で、
即決しなければ誰かに奪われてしまうので、
ゆっくり考える時間がない・・という

デメリットが潜んでいるということを
お伝えしましたが、全ての土地が
このようなメリットやデメリットを
持っているものなんですよね。

これは逆に考えてみると、
どんな土地でも設計の工夫やアイデア次第で、
その土地が持つメリットを最大限に
引出すことも充分可能である
ということにもなります。

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ですから、
『高い土地=いい土地』、
『安い土地=悪い土地』、

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という固定概念にあまり捕われず、
資金計画で導き出した予算を意識しながら、
その範囲内で土地探しをして
いただければと思います。

とは言っても、何を基準に土地選びをす
ればいいのか分からないと思っている方が
多いでしょうから、
今回は土地探しにおいて
大切な3つのポイントについて
お伝えしたいと思います。

では、
まず1つ目ですが、
『いいな~と思う土地が見つかった時は、
最低6回は現地を見に行くこと』です。

と言っても、ただ6回見に行けば
いつでもいいというわけではなく、
ポイントは"いつ見に行くか"です。

具体的に言うと、
『平日の朝・昼・夜』と
『日曜の朝・昼・夜』
です。


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平日の朝が大事な理由は、
"日の入り方"はもちろんのこと、
近隣の方たちの通学・通勤・ゴミ出しの
状況などの様子が見られることです。

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平日の午後に関しては、
もちろん"日の入り方"ですよね。
これは重要なところですからね。

そして平日の夜が大事な理由は、
"外灯があるかどうか?"
を確認出来るからです。

これは意外と盲点となる部分なのですが、
大切なお子様の通学に
関わってくることなので、
昼間だけではなく夜も
見に行っていただければと思います。

また、これと同じように日曜日にも
朝・昼・夜の3回現地を
見に行ってください。

その理由は、平日と日曜では人の行動は
全然違うからです。

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意外にも多くの方が、土地を見に行くのは
日曜の日中だけなのですが、
これだけでは環境や近隣の状況は、
よく分からないものです。

ですから、平日と日曜の両方の朝・昼・夜の
近隣の状況や環境を見ていただくことで、
より詳しくその土地を把握するように
していただければと思います。

こうすることで、日曜の午後だけしか
土地を見に行かないままで
その土地を決めてしまい、
後から後悔してしまう・・ということを
最大限に防ぐことが出来るようになります。

では、続いては
2つ目のポイントである
『近所にどんな人が住んでいるか
リサーチすること』
ということについてお伝えしていきますね。

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もちろん、リサーチは不動産屋さんや
住宅会社などに任せるのではなく、
自分ですることが大切です。
なぜなら、自分が一生暮らしていくことになる
土地だからです。

しかし、多くの方が、
『聞きに行く時間がなかった・・』とか、
『何を聞いたらいいか分からないし、
聞きにくい・・』
とか、『不動産屋さんに聞いたら心配ないと
言っていたから大丈夫だと思った』
といったような
理由から、自分自身でリサーチを
しないまま土地を買っている方が
多いんですよね。

おそらくあなたもそうだと思いますが、
一生暮らしていく土地ですから、

✔近所の人はいい人なの?、

✔浸水の心配は大丈夫?、

✔地震の時は大丈夫?、

✔津波のリスクは?、

✔学校までの通学路は安心?、

✔病院やスーパーは? 

✔自治会は?


など、心配なことがたくさんあると思います。

それらの心配要素を消すことができる1つに、
市役所や町役場に備え付けてある
『ハザードマップ』があります。

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過去の水災の状況、将来の災害予測、
液状化リスク、緊急時の避難場所、
学校や病院施設の場所などが
記載されている冊子です。

これを見れば、その土地のことを
多く知ることが出来ます。

しかし、
そこでずっと暮らそうと
思っているのならば、
ただ『ハザードマップ』を見て
安心するだけじゃなく、
それをもとに、近隣の方に、
過去に水災があった時の状況は
どうだったのか?や、
時々起こる集中豪雨の時や
台風の時の状況はどうなのか?
などの生の情報を教えてもらうように
するべきです。

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1つ目のポイントでお伝えしたように、
いいなと思ったら6回土地を見に行って
いただくようになるのですから、
せっかくなので、勇気を出して近隣の方に
色々と聞いていただければと思います。

そうすれば、どんな人が近隣に
住んでいるのかも同時に分かることですし、
挨拶代わりにもなりますし、
一石二鳥にも三鳥にもなりますからね。
これはとっても大事なことなので、
面倒臭がらずに思い切って
リサーチしてみてください。

では、最後に3つ目のポイントについて
お伝えしていきます。
3つの中で一番重要なので、
ぜひ参考にしていただければと
思います。

3つ目のポイントは、
『住宅会社に、一緒に土地を見に
行ってもらうこと』です。

その理由は2つあるのですが、
まず1つ目は
『なにも建ってない更地の土地だけを
見ても、素人のあなたには、その土地の上に
一体どんな家が建てられるのかが
想像出来ないから』です。

ですから、住宅会社の方と一緒に見に行き、
あなたが望むような家を建てることが出来るのか
ということを、アドバイスしてもらうようにする
といいと思います。

そして、土地を契約する前に実際にプランを
描いてもらい、
見積りまで出してもらうようにすれば、
より具体的にイメージが湧くようになるでしょう。

2つ目の理由は、
『土地以外にかかってくる別途費用が把握出来
ないから』です。以前の記事でお伝えしましたが、
土地を購入しようと思えば、
雑誌やインターネットに掲載されている価格だけで
購入することは出来ません。
それ以外にも、その土地の状況によって様々な
費用がかかってくるものです。

これらは、素人のあなたでは調べることは
難しいでしょうし、不動産屋さんに
具体的に聞いたとしても、
ズボラな調査しかしてくれない
可能性の方が高いでしょう。

ですから、住宅会社にしっかりと
事前調査してもらうことをオススメします。
なぜなら建築するにあたり、
その土地がどういう状況になっているのか
ということは住宅会社にとっては、
ものすごく大切なことですからね。

以上の2点から、
住宅会社と一緒に土地探しをされることを
オススメしています。

ただ、住宅会社ならどこでもいいのか?
というと、もちろんそうではなく、

✔あなたに無理のない資金計画を
立ててくれる会社なのか?

✔住宅ローンに対する知識は
豊富で銀行に丸投げしないか?

✔あなたが建てたいと願う家の
予算を先に伝えてくれるのか?

✔建築にかかるお金を
後出しせずに正直に話してくれるのか?

✔土地の調査や近隣調査などを
快くしてくれるのか?

といった条件を満たす会社(人)がいいと思います。
逆に言えば、

✔資金計画もせずに、
いきなり土地を探し出そうとする会社(人)

✔先に土地を不動産屋さんで
決めてきてほしいという会社(人)

✔住宅ローンを銀行に
丸投げする会社(人)

✔手当たり次第に
たくさん土地情報を集めようとする会社(人)

✔土地が見つかるまで
プランを描いてくれない会社(人)

などは、注意していただければと思います。

2023年3月 2日

10.選ぶべきじゃない住宅会社とその理由

✔ 資金計画もせずに、
いきなり土地を探し出そうとする会社(人)

✔先に土地を不動産屋さんで
決めてきてほしいという会社(人)

✔住宅ローンを銀行に丸投げする会社(人)

✔手当たり次第にたくさん土地情報を
集めようとする会社(人)

✔土地が見つかるまでプランを
描いてくれない会社(人)

は、選ぶべきじゃないとお伝えしましたが、
今回はその理由についてお伝えしていきます。

と言っても、その理由はとっても簡単で、
要するに自社の商品である


『家を売ること(=契約を取ること)しか考えてない』


からです。

おそらく、これから家を建てようと
お考えのあなたは、30年以上という長期間で
"住宅ローン"を組もうと考えていると
思いますが、その間は、ただ"住宅ローン"だけを
払っていればいいわけではなく、
もちろん車を買い替えなければいけないわけですし、
子供たちを大学や専門学校に進学させてやりたいと
考えていますよね。

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また、家族の思い出づくりのために時には
旅行に行くことだってありますよね。
さらに、食費や光熱費も子供の成長とともに
どんどん増えていくでしょう、
携帯代だって余分にかかってくることに
なりますよね。

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ですから、建てた後の暮らしのことを
考えた資金計画がとっても大切に
なってくるわけなのですが、
冒頭に例を挙げたような会社(人)は、
明らかに資金計画をおろそかにしたままで
家づくりを進めていこうとしています。
そうなれば、結果的にあなた自身が
無理な住宅ローンを組むことになり、
後々苦しい生活を送ることに
なってしまうんですよね。

確かに住宅会社は『家を建てるプロ』なのですが、
それと同時に、あなたにとっての初めての
家づくりを全力でサポートすべき存在でも
あるべきです。

そう考えるならば、そして本当に、
あなたの将来の幸せを真剣に考えているならば、
お金のことや土地のことについても
プロとなるべきなんですよね。

ですから、住宅会社を選ぶ時には、
前回お伝えした点に注意しつつ、
信頼出来そうな会社(人)にお願いするように
していただければと思います。

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と言っても、
"よく足を運んでくれるから熱意がある"
という風に勘違いしてしまったり、
"ニコニコしていて感じが良いから信頼
出来そうだ"という表面的な部分に
騙されないようにも、充分に
注意してくださいね。

あと、"安さをアピールしてくる会社"や、
"やたら値引きをする会社"にも要注意ですよ。
あなたにとっては、安いとか値引きを
してくれるということは嬉しいこと
だと思いますが、なにもないところから
造っていく注文住宅では、
それが後々あなた自身に跳ね返ってくることに
なるかもしれませんからね。

ではその理由について、
具体的にお伝えしていきましょう。

家の価格は、大きく分けて以下の
3つの要素から成り立ちます。

1.職人さんの手間
2.建築会社の利益
3.家の材料代

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ですから、家の価格を安くしたり、
値引きをするということは、
この3つのうちのどれか、
あるいは全部を安くするしかない
わけなんですよね。
では、それぞれ1つずつ考えていきましょう。

まずは『職人さんの手間』についてです。

例えば、
あなたが○○工務店と契約するにあたり、
100万円もの費用を値引きして
もらったとしましょう。
(普通ならありえませんが・・・)
そうなれば、その値引きされた100万円は、
先程の3つの要素にそれぞれ負担が
のしかかることになります。
では、職人さんにのしかかった場合
どうなるでしょうか?

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例えば、1日の手間代が15,000円の
大工さんが、90日かけて建てる予定の
お家であれば、大工さんに支払う手間代は
135万円ということになりますよね。
そして、仮にその手間代を工務店側から2
7万円値引き要求されたとしたら、
大工さんは108万円で仕上げなければ
ならなくなります。

そうなれば、大工さんの1日の手間代は
12,000円となり、1ヶ月で25日働くとしたら、
月間で75,000円も手取りが減ってしまう
ことになるんですよね。

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もし、あなたがこの大工さんの
奥さんならどう思います?
月の給料が75,000円も減ってしまえば、
生活がキツくなりますよね・・・
となれば、この大工さん給料が減らないように
仕事するようになりますね。

つまり、108万円で仕上げなければいけない家で、
15,000円の手間代をもらおうと思うなら、
90日かけて仕上げる予定だった家を、
わずか72日で仕上げようとするわけです。
これがどういうことなのか・・
ご想像していただければお分かりになりますよね?

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そうです。ご想像いただいた通り、
もしかしたら早く終わらせようと雑な工事に
なるかもしれないですし、
もしかしたら朝早くから夜遅くまで仕事をして
近所からクレームの声が上がってきて
しまうかもしれません・・・

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必ずしもこうなるわけではありませんが、
要するにせっかく高いお金を出してローンまで
組んで建てたのに、最終的に自分に
跳ね返ってきてしまうかもしれない
ということなんですよね。
そんなの絶対嫌ですよね・・・

ですから、安さを売りにしている会社や
簡単に値引きをしてくる会社は選ばないように
気を付けていただければと思います。

前回は、安すぎる会社や値引きする会社が
なぜ危険なのかを職人さんに焦点をあてて
お伝えしましたが、今回は残りの2つに
焦点をあててお伝えしたいと思います。


では、安売りや値引きが


『建築会社の利益』


にどのような影響を与えるかについてから
お伝えしますね。

一部例外もあるとは思いますが、
驚異的に価格が安い住宅会社のほとんどは、
前回お伝えした職人さんの手間代が
ものすごく安いことや、そもそも安い
材料を使っていることは当然のことながら、
なにより利益設定が低いという特徴を
持っています。


つまり、1軒あたりの利益はものすごく
少ないのですが、数をこなすことによって
経営を成り立たせている、いわゆる薄利多売
ビジネスであるということです。


となると、最も経費がかさむと言われている
人件費を削らざるを得なくなり、
現場を動かす役割となる現場監督が
いなかったり、現場経験が未熟な
スタッフが現場を仕切らざるを
得なくなってしまいます。そうなれば、
気が付けば全く違う家に仕上がって
しまっていた・・・という状況を
招くかもしれません。

また、アフターメンテナンスが雑だったり、
下手をすると、してくれないことだって
考えられます。そうなれば、もし調子が
悪い部分が出たり、壊れてしまった時に、
困った状況に陥ってしまいますよね。

さらに、そんな経営をしていたら、
いつ潰れても決しておかしくありませんから、
もし潰れてしまった時には、
そもそもアフターメンテナンスを頼む相手が
いなくなってしまうという状況を
招いてしまいます・・

もちろん、住宅会社は一生懸命仕事を
することは、お伝えするでしょうし、
アフターフォローもしっかりとしますと
口では言うでしょう・・・
しかし、現実はどうでしょうか?

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住宅会社は、あなたに30年以上もの
長い期間に渡って
『住宅ローン』を組んでいただき、
何千万という買い物をしていただくわけです。
ですから、その責任として会社を
継続していく責任がありますし、
あなたが安心して暮らしていけるように
サポートし続ける義務があります。


そしてそのためには、適正な利益が
必要にもなってくるわけであり、
真っ当な会社であれば、簡単に
値引きしたり、安売りしたりは
出来ないはずです。
ですから、目先の安さや値引きの誘惑に
騙されて、後々困ったことに
なってしまった・・
なんてことにならないように、
安売りしたり、安易に値引きするような
住宅会社には、気を付けていただければ
と思います。


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それでは、


最後に3つ目の要素である『家の材料代』

について、お伝えします。
ここは、今までとは少し違う視点でお伝えさせ
ていただきます。

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家で使用する材料は、見た目は同じような
モノでも、いくつかのグレードが存在します。
例えば、外壁材や床材といった目に
見える材料もそうですし、断熱材や材木
といった目に見えなくなる材料もそうです。
そして、どのグレードを選択するのかに
よってけっこう価格は違ってきます。

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ですが、それ以上に価格が大きく
違ってくる要素となるのが、
メーカーさんや取引業者さんからの
材料の仕入れ価格です。
この仕入れ価格が安いか高いかは、
家づくりの価格に大きな影響を与えます。

例えば、定価で100万円のお風呂が
あったとします。そして、その仕入れの
掛け率がA社とB社で15%違うとします。
すると、15万円という高額な費用が、
たった一つの商品だけで違ってくる
ということになります。

それに加えて、定価で100万円の
キッチンの仕入れ価格までも、
15%も差があったとしたら・・・
さらに、水回り商品だけじゃなく
その他の材料も、この仕入れ価格が
全く違っているとしたら・・
そうです。
同じ商品を使ったとしても大きく価格が
違ってくることになりますよね。

もしかしたら、あなたはこの違いを
多く建てている会社とそうじゃない会社との
違いと感じられたかもしれません。
確かに、数の原理は存在しますから、
それもあるでしょう。
しかし、実際のところは、
それだけでもないんですよね。


つまり、建てている数が多いからといって
必ずしも仕入れ価格が安いわけでもなければ、
建てている数が少ないから必ずしも
仕入れ価格が高いわけでもない
ということなんですよね。


これは、その会社の企業努力に
よるものですから、一概に言えませんが、
"会社対会社"のビジネスも、
結局は"人対人"なので、メーカーさんや
取引業者さんたちから、
『この会社のために力になってあげたい』と
思っていただけるような熱意があり誠実な
会社であるかどうなのか?が仕入れ価格に
大きく影響するということなのですね。


とはいえ、多くの住宅会社がチープな
材料を使って価格を下げるのではなく、
仕入れコストを下げる努力をすることで、
良い材料を使いつつ少しでも安く
建てられるように努力しているものの、
良い家を建てようと思えば手間が
かかるわけですし、
アフターメンテナンスサービスも
しっかりしていかなければいけないわけですし、
そのためには会社を存続させなければ
いけないわけなのです。


このような背景からやはりそれほど安く
建てられるわけではありません。
ということで、住宅会社を選ぶ時は、
ただ価格が安いからという理由で
選ばないように気を付けていただければと
思います。


良い会社には、良い職人さんたちと
サポートしてくれるメーカーさんや
取引業者さんたちがついているので、
そこを見極めていくことが住宅会社選びでは
大切だということを覚えておいて
くださいね。

2023年3月 1日

11.坪単価でしっておくべき5つのポイント

家の価格の高低を判断するための基準として


『坪単価』
があります。

実際、多くの方から坪単価についてご質問を
いただきますし、それをもとに価格の高低を
判断されている方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし、事実を申し上げるならば、
坪単価というものはほぼ当てになりません。
ですから、今回はその理由についてお伝え
していきたいと思います。

坪単価は、以下の5つの項目によって大きく
異なってきます。

つまり今からお話しさせていただく5つの項目が
どのようになっているのかで、安くもなれば高く
もなるということなんですよね。では早速、
具体的にお伝えしていきましょう。

坪単価に違いを生じさせる1つ目の要因
『家の形状の違い』です。
坪単価というものは、建てる家の形状に大きく
左右されます。例えば、延床面積が同じだった
としても、1階が広く2階が小さい家と、
1階と2階が同じ広さの家(総二階の家)では
全く坪単価が違ってきますし、ましてや平屋と
もなれば坪単価は
グンとアップすることになります。

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ですから、あなたが建てたいと願う家がどんな
家なのかを相手に伝えないままで、ただ単に
坪単価だけを聞いて判断してしまうと、
本当に選ぶべきパートナーを見過ごしてしまう
ことになりかねないので、その点に注意して
いただければと思います。


坪単価に違いを生じさせる2つ目の要因

『メーターモジュールと尺モジュールの違い』
です。
これは、柱が立つ間隔の差のことです。
メーターモジュールでは、1m間隔で
柱が立ちますが、尺モジュールでは、
91cm間隔で柱が立ちます。
となると、同じ間取りプランを描いたとしても、
大きく面積が違ってくるよことになります。

例えば、縦方向に柱9本、横方向に柱9本と
なるように総二階の間取りプランを描いた
とします。


すると、メーターモジュールの場合は、
縦横ともに1m×8区間=8m


ずつということになり、各階の面積が、
それぞれ8m×8m=64㎡
ずつということになります。

これに対し、尺モジュールの場合は、
縦横ともに91cm×8区画=7.28m
ずつということになり、各階の面積が、


それぞれ7.28m×7.28m=52.99㎡
ずつということになります。

となれば、同じ間取りを描いたとしても、
64㎡×2―52.99㎡×2=22.02㎡(6.66坪)
も面積に差が出ることになります。


もちろん、メーターモジュールの方が
面積が広い分、少しだけ尺モジュール
よりも総額が割高にはなるので、
その分を考慮した上で価格比較を
してみたいと思います。
メーターモジュールの家:
128㎡(38.72坪)・1800万円


尺モジュールの家:
105.98㎡(32.05坪)・1700万円


あくまで参考例ですが、
同じ材料を使った時には、
おそらくこの程度の差になるのでは
ないでしょうか?


この場合メーターモジュールの方は、
1800万円÷38.72坪=46.48万円が
坪単価ということになります。
そして尺モジュールの方は、


1700万円÷32.05坪=53.04万円


が坪単価ということになります。


結果、


53.04万円−46.48万円=6.56万円


もの坪単価の差が、ただモジュールを
変えるだけで出てしまうんですよね。

坪単価の安さを前面に打ち出している
会社の多くは、メーターモジュールを
採用していると思いますが、
ただ坪単価が安いだけで、
家そのものが安いか
どうかは微妙なところなので、
惑わされないように充分に
注意していただければと思います。
これが2つ目の要因です。


坪単価に違いを生じさせる3つ目の要因
『延床面積と総施工面積の違い』です。
延床面積とは家の床面積のことであり、
これが図面に記載されている面積で
す。総施工面積とは、図面に記載している
面積に入っていない部分も含めた面積です。
具体的には、玄関ポーチ(外玄関)やベランダ、
吹抜け、ロフト、小屋裏収納、
ウッドテラス(中庭)といった部分などを
含めた面積です。

通常、見積金額の総額を延床面積で
割った数字が『坪単価』だと思っている方が
多いと思いますが、実は、全ての住宅会社が、
この延床面積を基準に坪単価の説明をして
くれているとは限らず、総施工面積で割った
数字で説明してくる会社もあるということを
覚えておいてください。

確かに家の工事をする時には、こういった所も
全て工事をするわけなので、
それなりにコストもかかってきますから、
それがおかしいというわけでもないのですが・・・


しかし、延床面積で割るのと総施工面積で
割るのとでは、全く坪単価が違ってきますね。
例えば、延床面積が30坪、玄関ポーチが1坪、
ベランダが2坪、吹抜けが4坪、中庭が
3坪あったとしましょう。
そうすると総施工面積は40坪と
いうことになります。

家の総額が1800万円だったとしたら、
『延床面積』の場合は坪単価60万円なのに対し、
『総施工面積』の場合は坪単価45万円と
いうことになり、坪単価の感じ方は全く違って
きますよね。

しかも、これは先程のモジュールの差以上に、
坪単価の差が大きく開くことになりますから、
この錯覚にも惑わされないように注意して
いただければと思います。


『この会社は安い!』と思って、
いざ図面を描いてもらい見積りが出てくると、
予想していたよりも遥かに高い見積りが
出て来てビックリした・・・
なんてことになってしまえば、
ただ単に無駄な時間を過ごすことに
なりかねないですね。


坪単価に違いを生じさせる4つ目の要因
『入口価格と出口価格の違い』です。
簡単に申し上げると、一体どこまでの工事の
費用が見積もりの中に含まれているのか?
これが、住宅会社によって全く違うということです。

家を建てるにあたり、付帯的に必要になってくる
工事というものがあります。
例えば、仮設トイレや仮設水道、仮設電気に
仮設足場といった仮設工事です。


また、地盤調査費用や、各種保証費用、
設計費用・建築確認申請・検査費用も
そうですし、家の外部の水道工事
(屋外給排水衛生工事)や電気外線の引込工事、
照明器具やカーテン、浄化槽工事なども
この付帯工事に含まれます。

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表向きの坪単価設定が安い会社や、
『本体価格』として家の価格を表示している
会社などは、こういった工事を含んで
いない場合が多く見受けられます。

実は、付帯工事だけでも平均的に
150万円ぐらいはかかりますし、
住宅会社によっては200万円以上もの
費用を設定している会社もあります。

ですから、こういった費用を見落としたままで
プランに進んでしまい、見積もりの時に、
あまりの金額の開きに驚かないように
するためにも、安すぎるなと直感的に感じる
住宅会社には注意していただければと思います。
(見積書の税抜金額を大きな太字で記載し、
税込金額を小さい細字で記載している会社もあり、
これだけでも百万円以上価格差があるので、
これにも注意してください)


坪単価に違いを生じさせる5つ目の要因
『標準工事とオプション工事の違い』です。
前回お伝えしましたが、家の材料は、
見た目は全く同じようでもいくつかの
グレードが存在しています。
例えば、外壁材の1つであるサイディングを
とっても、4~5段階ものグレードが存在します。
そして、最も高いグレードと最も低いグレードを
比較してみた場合、驚くことに
100万円以上価格が違ってくることがあります。

また、外壁のみならず、もちろん床材にせよ
室内ドアにせよ、サッシにせよ玄関ドアにせよ、
キッチンにせよお風呂にせよ、材木にせよ、
屋根にせよ、すべての材料にグレードが
存在するわけなので、これらのグレードを落とす
ことで、表面的な価格を安く設定
出来るというわけです。

ですから、まずはどんな材料を標準的に
使っているのか?を建てている家や
建てた家を見せてもらいながら説明して
もらうことで、プラン作成に入るまでに
明確にしておくことをオススメします。
その材料を使うことを前提として、
資金計画で導き出した予算の中でプランを
描いてもらわないと、
後から予算が狂ってしまいますからね。

いかがでしたか?
『家の形状の違い』から始まり、
『モジュールの違い』と『延床と総施工の違い』、
そして『入口と出口の違い』と
『標準とオプションの違い』、
この5つの要因によって、
坪単価は大きく違ってくることになります。


ということで、結論を言うと『坪単価』や
『本体価格』という表示は、
全くあてにならないということなので、
見かけの安さに騙されないようにだけ
注意していただければと思います。

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